【ビデオカメラのデータ復旧】専門家監修の故障別診断・データ復旧業者の選定基準

ビデオカメラは子供の卒業式や運動会、家族の旅行、結婚式などのプライベートの大事なイベントを記録に残したり、カメラマンの仕事や素材の撮影、ビジネス上の重要な情報を記録するためなど、さまざまな特別な瞬間で重要な役割を果たします。これらの特別な場面では、ビデオカメラを使って貴重な瞬間を捉え、記録に残すことができます。そのため、ビデオカメラの正常な動作とデータの保護は非常に重要です。
ビデオカメラのデータ復旧
撮影中に落下させてしまった、水中で撮影して水没したなど物理的な損傷がある場合、削除してしまった場合、フォーマットしてしまった場合のデータ復旧について解説いたします。データ復旧の成功は困難であるか、間違った対処をすることで不可能となることがあります。いずれにしても無資格者が正しい対応をしなければ、ビデオカメラ内に保存されたデータに再びアクセスすることはできなくなってしまいます。正しい対処からご紹介します。
ビデオカメラの使用を停止!電源をオフに
ビデオカメラの状態を悪化させないためにも電源を切ることをおすすめします。また、データの上書きをしないようにすることが非常に重要ですので、撮影をするのは絶対に避けてください。
データのバックアップの確認
もし壊れたビデオカメラに重要なデータがある場合、それが事前にバックアップされているかどうかを確認します。バックアップがあれば、別のデバイスやメディアからデータを復元することができます。
メモリーカード(SDカード)を抜く
ビデオカメラで撮影した動画は内蔵メモリもしくはSDカードに保存されるように設定している場合があります。SDカードに保存している場合にはSDカードを抜き、パソコンで読み込むことでデータが壊れていないかを確認することができます。その際にフォーマットは絶対に行わないでください。
メモリーカードの状態確認
メモリーカードに物理的な損傷や汚れがないかを確認します。破損している場合、データの復旧は難しい場合があります。
メモリーカード・SDカードリーダーの使用
メモリーカードリーダーを使用して、メモリーカードをパソコンに接続します。メモリーカードリーダーが必要な場合は、市販のリーダーを購入するか、パソコンに組み込まれたリーダーを使用することが可能です。
メモリーカードの抜き差し
ビデオカメラは壊れていないが、データが読み込めない場合もあります。その際にはメモリーカードをビデオカメラから取り外し、別のデバイス(カードリーダーやパソコン)に接続してみてください。そこでデータを確認できる可能性があります。
SDカード、ビデオカメラの状態が悪い場合
物理的な損傷がある場合は、専門のデータ復旧サービスに相談することで解決する場合があります。この場合、内蔵メモリに録画されたデータを復旧するには、ビデオカメラそのものを専門のデータ復旧業者に預ける必要があります。状況によっては、診断の段階でビデオカメラを分解してしまうこともあります。また、ほとんどの業者は分解したあとに組み上げ、元の状態に近付けることはありません。
SDカード、ビデオカメラは再使用不可能
SDカード、ビデオカメラはデータ復旧作業や診断をする過程で負荷がかかり壊れてしまうこともあります。それによってデータ復旧業者に依頼前よりも悪化することもありますので、信頼できるデータ復旧業者に依頼することが必須です。
タイプ別データ復旧可否
具体的な製品やモデルによっても異なる場合があるため、下記のテーブルは一般的なガイドラインとして参考にしてください。4Kビデオカメラ、フルハイビジョンビデオカメラなどもデータ復旧が可能です。特定の状況や製品によって異なる可能性があります。ビデオカメラが物理的に損傷している場合、データ復旧の可否に関わらず成功率は低くなる傾向がありますが、実際に診断をしてみないとデータ復旧業者であっても復旧できるかはわかりません。
ビデオカメラのタイプ | データ復旧の可否 |
内蔵メモリータイプ(内蔵ハードドライブ、フラッシュメモリ) | 可能 |
メモリーカードタイプ(SDカード、メモリースティックなど) | 可能 |
デジタルビデオテープタイプ(MiniDV、HDVなど) | 可能 |
DVDビデオカメラタイプ | 難しい(ディスクの物理的な損傷やリードエラーがある場合) |
アナログビデオカメラタイプ | 難しい(デジタルデータ化が必要であり、物理的な損傷がある場合は困難) |
アクションカメラタイプ(GoProなど) | 可能(SDカードに保存) |
スマートフォンやタブレットのビデオ機能 | 可能 |
物理的に壊れた場合
ビデオカメラが水没した、落下した、衝撃を受けた、または他の物理的な損傷を受けた場合、内部のハードウェアやメモリーへのアクセスに支障が生じる可能性があります。物理的な損傷によってビデオカメラの回路やコンポーネントが破損し、データが正しく読み取れない場合、データの復旧は困難です。また、メモリーカードそのものが破損している場合も同様です。このような状況では、一般的なデータ復旧ソフトウェアでは対処できず、専門のデータ復旧サービスに相談する必要があります。
ビデオカメラを確認
壊れたビデオカメラに物理的な損傷がある場合、まずはメーカーに相談なさることをおすすめします。メーカー修理の場合には初期化は必須ですので、初期化することでデータは消失します。データが重要な方は専門家に相談することをおすすめします。修理が必要な場合は、最も信頼できる修理サービスに依頼します。
データ復元ソフトは削除データ専用ツール
データ復元ソフトウェアは、通常、動作可能なデバイスやメディアから削除されたデータや損傷したデータを復元するために設計されています。しかし、壊れたビデオカメラに対しては効果的ではありません。3つの理由をご紹介します。
データのアクセス不可
物理的に壊れたビデオカメラの内部のハードウェアや回路に物理的な損傷が生じているため、撮影した動画データへのアクセスが制限されています。またはデータが壊れている可能性があります。データ復元ソフトウェアは通常、デバイスやメディアへのアクセスを必要としますが、壊れたビデオカメラではこのアクセスが困難または不可能です。
デバイスの復旧不可
物理的な損傷により正常に機能しなくなっている場合があります。例えば、カメラの回路や部品が破損している、水没している、または落下などの衝撃を受けている可能性があります。データ復元ソフトウェアは、デバイス自体の修理や復旧を行うことはできません。
メディアの損傷
壊れたビデオカメラの場合、データが格納されているメディア(メモリーカードなど)も損傷している可能性があります。データ復元ソフトウェアは、一部の損傷したメディアからデータを回復することができますが、物理的な損傷が重度である場合、データの回復がほとんど不可能となります。
データ復旧サービスの流れ
依頼受付
データ復旧サービスを提供する会社に依頼をします。オンラインでの申し込みや電話での問い合わせなど、様々な方法があります。
依頼品の発送
データの復旧が必要なビデオカメラや媒体をデータ復旧会社に送付します。適切な梱包や配送方法を確認しましょう。
評価と見積もり
データ復旧の専門家が依頼内容を評価し、データの復旧可能性と見積もり金額を提供します。評価結果と見積もり金額を確認し、承諾する必要があります。
依頼受理
見積もりに同意したあとに、データ復旧サービスを提供する会社が依頼を受理します。必要な手続きや契約書類の提出などがある場合もあります。
復旧作業
データ復旧の専門家が受け取った媒体を使用してデータの復旧作業を行います。データの状態や復旧の難易度によって所要時間は異なります。作業にかかる時間は概算で見積もり時に案内してもらうことができます。
納品: データの復旧が完了したら、データ復旧会社から復旧されたデータが提供されます。通常は新しい媒体にデータがコピーされ、返送されます。
確認と支払い: 納品されたデータを確認し、データが適切に復旧されたことを確認します。その後、データ復旧会社に支払いを行います。
この流れは一般的な手順ですが、各データ復旧会社によって若干の違いがある場合があります。依頼前に会社のポリシーや手続きについて確認することをおすすめします。
データ復旧サービスも完全ではない
専門のデータ復旧サービスは、高度なテクニックと専門の設備を使用して物理的な損傷を修復し、データの復旧を試みることがあります。しかし、成功するかどうかはケースバイケースであり、完全なデータの復旧は保証されません。また、物理的な損傷が深刻で修復が不可能な場合もあります。
重要なデータの場合は、予防策として定期的なデータのバックアップを行うことをおすすめします。バックアップを取っておくことで、物理的な損傷やデータの消失によって重要な情報を失うリスクを軽減することができます。
まとめ
ビデオカメラのデータを復旧するためには、以下の手順を実行します。まず、カメラの使用を停止し、電源をオフにします。次に、バックアップがあるか確認します。メモリーカードを抜き出し、状態を確認します。メモリーカードリーダーを使用して、別のデバイスに接続してみます。もし自分で復旧できない場合は、データ復旧サービスに相談しましょう。