SDカードについて|データ復旧
SDカードの規格
SDカード(Secure Digitalカード)は、デジタルデータを保存するために使用される小型のフラッシュメモリカードです。初期のSDカードの規格は、1999年にパナソニック、サンディスク、東芝の3社によって策定されました。
- SDカード
- 容量: 8MBから2GBまで
- ファイルシステム: FAT16
- 外形寸法: 24×32×2.1 mm
- 最大転送速度: 12.5MB/s
- 用途: 初期のデジタルカメラやその他のデジタルデバイスで広く使用されました。
- SDHC(Secure Digital High Capacity)カード
- 容量: 4GBから32GBまで
- ファイルシステム: FAT32
- 外形寸法: SDカードと同じ
- 最大転送速度: 25MB/s(クラス4)
- 用途: 高解像度の写真やビデオの保存に使用され、デジタルカメラ、ビデオカメラ、スマートフォンなどで広く普及しました。
- SDXC(Secure Digital eXtended Capacity)カード
- 容量: 64GBから2TBまで
- ファイルシステム: exFAT
- 外形寸法: SDカードと同じ
- 最大転送速度: 312MB/s(UHS-II)
- 用途: 4Kビデオや高解像度の写真など、大容量のデータ保存に適しています。
- SDUC(Secure Digital Ultra Capacity)カード
- 容量: 2TBから128TBまで
- ファイルシステム: exFAT
- 外形寸法: SDカードと同じ
- 最大転送速度: 985MB/s(UHS-III)
- 用途: さらに大容量で高速なデータ保存を求めるプロフェッショナル向け。
SDカードの規格 | 最大容量 | 最大転送速度 | 特記事項 |
---|---|---|---|
SD | 2GB | 25MB/s | 初期のSDカード規格。現在はあまり使用されていない。 |
SDHC | 32GB | 25MB/s | High Capacityの略。2GBを超える容量のSDカード。FAT32ファイルシステムを使用する。 |
SDXC | 2TB | 104MB/s | eXtended Capacityの略。32GBを超える容量のSDカード。exFATファイルシステムを使用する。 |
SDUC | 128TB | 最大624MB/s | Ultra Capacityの略。SDXCの後継規格で、非常に大容量のSDカード。UHS-I、UHS-II、UHS-IIIバス速度をサポート。 |
SDIO | – | – | SD入出力カード。SDカードのスロットを使用して無線LANやBluetooth、カメラなどの機能を追加するための拡張カード。 |
microSDカードとminiSDカードは、より小型のデバイス向けに設計されたSDカードの変種です。microSDカードはスマートフォンやタブレットで広く使用され、miniSDカードは旧型の携帯電話で使用されていました。現在ほとんどminiSDカードは使われていないので、実質的には2つの規格のみが使用されています。SDカードの規格は技術の進歩とともに進化しており、新しい規格が登場していますが、データ復旧サービスではあらゆる規格のSDカードに対応しています。データ復元ソフトはあらゆる規格に対応しているものの、SDカードが正常に動作する状態でのみ有効です。
SDカードの速度クラス
SDカードの速度クラスは、最低書き込み速度を保証するための規格です。これにより、ビデオ撮影など、一定の書き込み速度が必要なアプリケーションでの使用が確実になります。
- 標準速度クラス
- Class 2: 2MB/s
- Class 4: 4MB/s
- Class 6: 6MB/s
- Class 10: 10MB/s
- UHSスピードクラス(Ultra High Speed)
- UHS-I U1: 10MB/s
- UHS-I U3: 30MB/s
- ビデオスピードクラス
- V6: 6MB/s
- V10: 10MB/s
- V30: 30MB/s
- V60: 60MB/s
- V90: 90MB/s
- アプリケーションパフォーマンスクラス
- A1: ランダム読み込み1,500 IOPS、書き込み500 IOPS
- A2: ランダム読み込み4,000 IOPS、書き込み2,000 IOPS
SDカードの歴史
- 1999年: パナソニック、サンディスク、東芝が共同でSDカードの規格を策定。この新しいカードは、従来のマルチメディアカード(MMC)よりも小型で、高速かつ安全なデータ保存を提供しました。
- 2000年: 最初のSDカードが市場に登場。当初の容量は8MBから32MB程度で、主にデジタルカメラで使用されました。
- 2006年: SDHC規格が策定され、最大32GBの容量をサポートするカードが登場。これにより、高解像度の写真やビデオを保存するための容量が大幅に増加しました。
- 2009年: SDXC規格が発表され、最大2TBの容量に対応するカードが登場。これにより、さらに大容量のデータ保存が可能となり、4Kビデオなどの高品質なコンテンツの保存が容易になりました。
- 2018年: SDUC規格が発表され、最大128TBの容量に対応。これにより、ますます大容量のデータを扱うことができるようになりました。
- 2019年: SDエクスプレスが導入され、PCIeとNVMeインターフェースを利用した高速転送が可能に。これにより、データ転送速度が飛躍的に向上し、プロフェッショナルな用途でも対応可能な性能を実現しました。
SDカードはその高い互換性と拡張性から、多くのデジタルデバイスで標準的なストレージメディアとして採用されています。デジタルカメラ、スマートフォン、タブレット、ドローン、ゲーム機など、幅広い用途で利用されています。その進化とともに、ますます大容量で高速なデータ保存が可能となり、ユーザーのニーズに応える性能を提供し続けています。
SDカードの容量が大きいほど、回復すべきデータの量も増えます。データの復旧には時間がかかる場合がありますし、どの程度の復旧が可能かどうかは専門家しかわかりません。さらには、専門家であっても実際に壊れたSDカードを診てみなければ復旧できるかどうかはわかりません。また、「SDUCカード」も発表されていますが、2023年時点でも販売されていないことと利用が広がってからデータ復旧のニーズが生まれるかと考えられます。
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