外付けSSDが突然認識されなくなったり、データにアクセスできなくなった場合、多くのユーザーは故障を疑います。外付けSSDの故障にはさまざまな原因があり、それに応じた適切な対処方法が求められます。また、誤った対応をするとデータ復旧が困難になる可能性があるため、注意点も把握しておくことが重要です。
外付けSSDの調子が悪い?故障の原因と復旧
まず、外付けSSDが正常に動作しない原因として、物理的な損傷と論理的な障害の二つが考えられます。物理的な損傷には、落下や衝撃による内部基板の損傷、コネクタの破損、SSD自体の部品故障などが含まれます。
一方で、論理的な障害には、ファイルシステムの破損、不適切な取り外しによるデータの破損、ウイルス感染などが挙げられます。さらに、SSDの寿命が原因で突然アクセス不能になるケースもあります。
- パソコンの不具合・接続方法の確認ポイント
- 外付けSSDの論理障害
- 外付けSSDの物理障害
パソコンの不具合・接続に誤りがある場合
外付けSSDが認識されない場合、まず試すべきは基本的な確認作業です。接続しているUSBポートを変更したり、別のパソコンで試したりすることで、ケーブルやポートに問題があるのかどうかを判断できます。電源供給が不足している場合は、セルフパワーのUSBハブを利用することで解決することもあります。デバイスマネージャーやディスク管理ツールでSSDの状態を確認し、ドライブが表示されているかどうかをチェックすることも重要です。
SSDのソフトウェアの論理的なシステムの障害が原因となっている
論理的な障害(データやシステムが壊れている)が原因である場合、データ復旧業界では「論理障害」と定義されます。データ復旧ソフトを利用してファイルを救出できる可能性があります。ただし、新しいデータを書き込んでしまうと上書きされるため、SSDに書き込みを行わないように注意が必要です。Windowsなら「CHKDSK」コマンド、Macなら「ディスクユーティリティ」を使ってエラーチェックを行うことも一つの方法ですが、これらのツールは場合によってはデータを破損させる可能性があるため、慎重に実行する必要があります。
SSDの部品・パーツが機械的に壊れて物理的な障害が原因となっている
物理的な故障が疑われる場合、自力でのデータ復元ソフトによる復旧は困難です。特に、基板の損傷やNANDフラッシュの故障の場合、専門的な技術と設備が必要になります。そのため、データが重要である場合は、早急にデータ復旧の専門業者に相談するのが最善の選択肢となります。分解や修理を試みると、さらに状況が悪化する恐れがあるため、慎重な対応が求められます。
製品寿命は3年前後ですが、それによりパーツの故障があります。SSDの内部はパーツが多くなく、コントローラやメモリチップなど主に壊れる部品は多くありません。そのため、落下や衝撃によってダメージを負って基盤が損傷することはあれど、そこまで多くはありません。
データ復旧の成功率を高めるためには、外付けSSDが不調を示した時点での迅速な対応が重要です。無理にアクセスを試みず、適切な診断を行い、最適な方法でデータ復旧を進めることが求められます。
外付けSSDのデータ復旧依頼前に注意すべき5つのポイント
外付けSSDのデータが突然読み込めなくなると、焦ってしまいがちです。しかし、誤った行動を取るとデータ復旧が難しくなる可能性があります。データを安全に復旧するために、以下の 5つの注意点 を守りましょう。
1. SSDに通電し続けない
外付けSSDに異常を感じた場合は、 無理に通電を続けないこと が重要です。
通電を続けると、
- 誤ってデータを上書きしてしまう
- 故障状況が悪化し、復旧が困難になる
といったリスクが生じます。 異常を感じたらすぐに使用を中止し、通電を避けること で、データ復旧の可能性を高められます。
2. SSDを何度も再起動しない
外付けSSDが認識されなくなると、 何度も再起動を試みたくなりますが、これは危険な行為 です。
再起動を繰り返すことで、
- SSDに負荷がかかる
- 故障状況が悪化し、復旧が難しくなる
可能性があります。認識されない場合は 落ち着いて状況を確認し、不要な再起動を避けましょう。
3. 状態を変える衝撃を与えたり分解したりしない
外付けSSDは わずかな衝撃でも基板や内部部品にダメージを与える可能性 があります。
特に、 分解行為はNG です。
- 叩いたり、衝撃を与えてもデータは復旧しない
- 分解するとメーカー保証が無効になる
物理的なダメージを防ぐためにも、 慎重に取り扱いましょう。
4. フォーマットしない
「フォーマットしてください」というメッセージが表示されると、 ついフォーマットを実行してしまうかもしれませんが、これはデータ削除の操作 です。
フォーマットを行うと、
- 記録媒体が初期化され、データが消える
- 復旧の難易度が上がる
外付けSSDのデータを復旧したい場合は、 フォーマットせずにデータ復旧業者に相談 することをおすすめします。
5. メーカー修理に出さない
メーカー修理では SSDをフォーマットすることが一般的 です。
そのため、 修理によってSSDが使えるようになっても、大切なデータは消えてしまいます。
メーカー修理を選択するのは、下記の条件を満たした場合のみ検討しましょう。
- すでにバックアップがある
- 復元が必要なデータがない
- データ復旧の見積もりが予算を超えた
データを取り戻したいなら、修理ではなくデータ復旧作業が必要 です。
適切な対応でデータ復旧の可能性を高める
外付けSSDのデータが読めなくなったときは 焦らず冷静に対処 しましょう。誤った行動を避けることで、データ復旧の可能性を高めることができます。
外付けSSDのデータ復旧方法:ソフト利用と業者依頼の違い
外付けSSDのデータ復旧を行うには、 データ復元ソフトを使用する方法 と データ復旧業者に依頼する方法 の2つの選択肢があります。それぞれの特徴や注意点を以下に整理しました。
復元ソフトを使用する場合
- 利用方法:自分でソフトをインストールし、復旧作業を行う
- 料金:無料または有料(結果にかかわらず料金が発生する場合あり)
- 注意点:
- インストール先や操作を誤るとデータが消失するリスクがある
- SSDの故障状況によっては復旧が困難なケースもある
業者に依頼する場合
- 利用方法:選定した業者にSSDを送付または持ち込んで依頼
- 料金:データ復旧が成功しなければ無料の業者も存在
- 注意点:
- 悪質なデータ復旧業者に注意が必要
どちらの方法を選ぶかは、SSDの故障状況や自身の知識・技術力によって判断できるかと思いますが、基本的にはまずデータ復旧専門業者に相談なさることをおすすめします。
外付けSSDのデータ復旧に関するよくある質問
SSD復旧業者に依頼すると、どのくらいの費用がかかりますか?
データ復旧の費用は 障害の種類や作業内容によって異なります。
一般的な目安は以下の通りです。
障害の種類 | 費用の目安 |
---|---|
論理障害(誤削除・軽度な破損) | 10,000円~50,000円 |
物理障害(基板損傷・部品故障) | 50,000円~150,000円 |
重度障害(メモリチップ故障など) | 100,000円~300,000円 |
初期診断が無料の業者も多いため、まずは 見積もりを依頼 して判断すると良いでしょう。
データ復旧業者はどのように選べばいいですか?選び方を教えてください。
1. 初期診断が無料か
- 無料診断を提供 している業者を選ぶ
- 診断後に高額請求する業者に注意
2. 料金体系が明確か
- 復旧成功しなければ無料 の業者が安心
- 事前に料金表が明示されているか確認
3. 物理障害に対応できるか
- クリーンルーム完備 の業者を選ぶ
- 高度な設備(NANDメモリ復旧対応) を持つ業者が望ましい
4. 実績・評判が良いか
- 復旧実績が豊富(法人・官公庁の依頼実績がある)
- 口コミ・評判が良い(不自然な高評価ばかりの業者は注意)
5. データの機密保持が徹底されているか
- Pマーク・ISO 27001取得 などのセキュリティ対策がある
- データの取り扱いルールが明確 で情報漏洩リスクが低い
6. 納期・スピード対応が可能か
- 即日診断・緊急対応 が可能な業者を選ぶ
- 復旧までの目安時間が明記されている か確認
7. 設備・技術レベルが高いか
- クリーンルーム・クリーンベンチ完備
- チップオフリカバリー技術(NANDメモリから直接データを復旧)対応可
8. 悪質業者に注意
- 診断後にキャンセル不可 とする業者は避ける
- 作業後に高額請求 する業者に要注意
- 「確実に復旧できる」と断言する業者 は要警戒(復旧成功率100%はありえない)
SSDはHDDと異なり、データの保存形式のみならず、メモリの消去や書き込みのルールも全く異なるため、HDDのデータ復旧に長けたクリーンルームを完備している業者であってもSSDに強いわけではありません。SSDのデータ復旧の実績がある会社に依頼なさることをおすすめします。