SIMカードって何? 格安スマホでも使うSIMカードについて
スマートフォンを契約する際に、契約端末に小さな金色のICカードが差し込まれる場面を見た方は多いのではないでしょうか。
その小さな金色のICカードがこの記事のテーマ『SIMカード』です。
このSIMカードの事を皆さん、どのくらい知っていますか?あらゆる通信をしているデバイス(機械)はSIMカードなしに現在では動きません。
SIM自体は非常に小さいのですが、様々な機能がありますので、詳しく説明したいと思います。
また、台頭を続ける格安SIMも理解しやすくなると思います。
色々な形があるけど、SIMカードって?
SIMカードとは、加入者IDや電話番号などのお客様情報を記録したICカードで、このSIMに登録した情報を得る事で契約した通信会社を通してネットや通話を利用する事ができます。
SIMに登録された情報を元に、月々に使用した電話料金やデータ通信料が算出されますので、操作するのはスマートフォン本体ですが、データ通信を可能にしているのはSIMカードの為、スマートフォンの利用料金は実質、SIMに支払っている事になります。
SIMカードの名称は、au ICカード(au)、FOMAカード(docomo)、USIMカード(SoftBank)と各社で呼び方が異なる場合があります。
また、SIMカードのサイズ毎に以下の様に、分けられております。
①標準SIM
主にフィーチャーフォンに使用されていたSIM規格です。
サイズは15mm×25mmで、現在主流となっている後述する2つのSIM規格に比べると一番大きなサイズです。
徐々に姿を消してきていますが、一部フィーチャーフォンや格安SIMに使用されています。
microSIM
Xperiaなどを中心に主にAndroid系端末に使用されています。
サイズは12mm×15mmで、標準SIMと比べると小さくなりました。
SIMを作るコストが低く、コンパクトである為、Android系端末から格安SIMまで幅広く使われています。
nanoSIM
Nexusなどの一部Android端末とiPhone(iPhone5以降)が採用している規格です。
サイズは8.8mm×12.3mmで、今回紹介した規格の中では最小となります。
microSIMと共に二大SIM規格として流通しており、サイズの小ささから今後はnanoSIMが主流規格となると言われております。
この様にSIMはサイズが変わると呼び方が変わります。
更に、格安SIMを中心に一部機能を制限したSIMカードも存在していますので、紹介します。
音声通話付きSIM
データ通信に加え、音声通話も可能となるSIMです。
通常はSIMとは音声通話付きSIMを示します。
また、キャリアと契約する際は全て音声通話付きSIMとなります。
電話番号が与えられているので、アプリを介さなくても通話ができます。
データ通信専用SIM
データ通信専用で電話番号を与えられていない為、電話機能が使えません。
データ通信しかできないと言う制限の代りに、使用料が安い傾向にあります。
電話機能もLINEなどのメッセージアプリで代用が可能です。
格安SIMを契約する際に選択肢に加わるSIMです。
SIMにも様々な種類がある事が確認出来たかと思います。
SIMカードの情報
さて、SIMについて段々理解が深まって来たのではないのでしょうか。
次は、SIMの中の入っている情報について解説します。
・契約キャリア
・加入者識別番号
・電話番号
・キャリアのメールアドレス
・スマートフォンの契約内容
となっています。
このSIMを読む事で、アナタの契約プラン内容やキャリア情報が分かります。
ここで、気づいた方もいるのではないでしょうか。
SIMには、お客様情報やスマートフォンの識別情報は入っているが、写真データや電話帳、アプリデータなどは入っていません。
あくまでスマートフォンを利用する為に、重要となる情報以外はSIMの中には入っていません。
では、今使っているSIMを別の端末に移した場合どうなると思いますか。
説明した通り、写真やアプリデータは入っていないので、移し変えた先のスマートフォン内のデータに変化は起こりません。
ですが、SIMを移し変える事で、今まで使っていた契約内容をそのまま引き継ぎますので、電話番号やキャリアのメールアドレス、契約プラン内容の全てが移し替えた機種に移動されます。
移し変える前のスマートフォンで使ったデータ料も移し替えた後に使ったデータ料も、同じプランが適用され同じ請求書で支払うことになります。
つまり、稼動可能なスマートフォン本体があれば、SIMを移し替える事によって、契約内容や電話番号等を変えずに、引き続き利用が可能と言うわけです。
理論的には、一枚のSIMがあれば、複数台のスマートフォンで利用できると言う、所謂SIMフリー状態になります。
SIMフリーは海外では、主流となっていますが、日本では手続きを行う必要があります。
日本でも、2015年5月に総務省がSIMロック解除原則義務化が発表され、キャリアはSIMロックを解除要求があった場合、応じなくてはいけません。
しかし、キャリアの端末は購入時にSIMロックが掛かった状態で渡されます。
つまり、利用者がSIMロック解除を要求しないと他キャリアのSIMを入れても使用できません。
格安SIMや別会社のSIMをキャリアから購入したスマートフォンでご利用したい場合は、必ずSIMロック解除を行なってください。
よく聞くけど、SIMロック解除するにはどうすればいい?
SIMロック解除にはキャリアに、解除請求をする事が必要と説明致しました。
では、実際に解除するためにどうしたら良いかの説明に入ります!
この手続きを行わないと、今ご使用になられているキャリア以外のSIMを使う事ができません。
今の機種のまま格安SIM等を検討されている場合は、キャリアにSIMロック解除申請を行ってください。
まず解除前に下記の注意事項を良くお読みください。
・今のSIMと変更後のSIM規格を確認する
本記事にも記述してありますが、主流となっているSIMの規格は3つあると紹介しました。
今使っているSIMがmicroSIMで、変更後のシムがnanoSIMの場合、サイズが小さくてそのままでは入りません。
SIMのサイズが小さい分には、サイズ変更アダプターを使用する事で利用が可能ですが、nanoSIMからmicroSIMに変更の様に、元のSIMよりサイズが大きくなる場合は、使用ができません。
ネット上には、microSIMの周りを少し削り、サイズを合わせる方法が紹介されてますが、SIM自体を破壊する恐れがあり、リスクが高い為、オススメしません。
そのような事態に陥る前に、SIMの規格は一度確認しておく事が賢明でしょう。
・SIMロック解除可能期限を経過しているか確認する
2015年5月より、SIMロック解除が原則義務付けられた事により、基本的には要請をすればSIMロックは解除出来ますが例外もあります。
キャリアは購入から一定期間経過しないとSIMロック解除を行えないと規約で制限が掛かっている事があります。
au、DoCoMo、SoftBankは2015年5月以降に分割購入したスマートフォンに関しては、100日を経過しないとSIMロック解除請求が出来ません。
分割購入をした方は、契約から100日が経過した事を必ず確認して下さい。
また、SIMロック解除原則義務化の適用前の機種、つまり2015年5月以前のスマートフォンはSIMロック解除請求が出来ない場合がありますので、併せて確認して下さい。
・変更するSIMがお使いの機種で動作するか確認する
契約内容の確認と同じく格安SIMに変更を検討している時に確認して欲しいのは、変更後のSIMがその機種で動作するかどうか確認する必要があります。
キャリアのスマートフォン端末は基本的にそのキャリアの通信システムに適した設定となっており、SIMロックを解除しても他者の通信システムと相性が悪く、通信速度が期待値より遅かったり、そもそもデータ通信自体ができない場合もあります。
その為、格安SIMの業者のホームページ等から、現在お使いの端末で動作確認が取れているを必ず確認して下さい。
以上の注意事項を確認してから、SIMを変更しましょう。
auのSIMロック解除方法
・auショップで解除依頼する場合
店頭にスマートフォンと身分証明証を持って、必ず利用者本人がauショップの窓口へ来店して下さい。
窓口で『SIMロックを解除をお願いします』と言ってもらえれば、すぐに対応してくれます。
ロック解除の操作は店員さんがやってくれます。
但し、窓口でSIMロックを解除する場合、手数料3000円が発生します。
・自分でWebから解除する場合
1.自分のSIMのIMEI番号を確認して下さい。
<iPhoneの場合>
〔設定〕→〔一般〕→〔情報〕→IMEI
<Androidの場合>
〔設定〕→〔端末情報〕→〔機器の状態〕→〔IMEI情報〕
2.My auにログインして下さい。→https://goo.gl/djuFCX
3.SIMに関する注意事項を読んで、チェックマークを入れて、〔次へ〕を押して下さい。この時、購入日等の情報も表示されてますので確認して下さい。
4.SIMロック解除機種情報が表示されているので、再確認し解除理由を選択し、『この内容で申し込む』を押して下さい。
※手続き完了の表示が出ますので、その画面を確認できたらSIMロック解除完了です。完了画面をスクリーンショット等で保存しておくと良いでしょう。
・新SIM挿入時の操作
5.スマートフォンの電源を切り、新しいSIMを入れて下さい。
6.電源を入れて下さい
7. Wi-Fiと接続して下さい。
8.[設定]→[端末情報]→[SIMカードの状態]→[SIMカードの状態の更新]を押して下さい。
9.設定ファイルをダウンロードして、再起動します。
10.起動後に通信等が入るかをチェックして、問題がなければ完了です。
docomoのSIMロック解除方法
・docomoショップで解除依頼する場合
店頭にスマートフォンと身分証明証を持って、必ず利用者本人がdocomoショップの窓口へ来店して下さい。
窓口で『SIMロックを解除をお願いします』と言ってもらえれば、すぐに対応してくれます。
ロック解除の操作は店員さんがやってくれます。
但し、窓口でSIMロックを解除する場合、手数料3000円が発生します。
・自分でWebから解除する場合
1.自分のSIMのIMEI番号を確認して下さい。
<iPhoneの場合>
〔設定〕→〔一般〕→〔情報〕→IMEI
<Androidの場合>
〔設定〕→〔端末情報〕→〔機器の状態〕→〔IMEI情報〕
2.My docomoにログインして下さい。→https://goo.gl/HPa2Fx
3.SIMロック解除する機種を選択して下さい(iPhone or Android)。続いてIMEI番号を入力して下さい。
4.手続き内容の『SIMロック解除』にチェックマークを入れ、注意事項をよく読み、『SIMロック解除の注意事項に同意する』にチェックマークを入れて下さい。
5.確認メールを受信するメールアドレスを選んで下さい。
6.手続き内容が表示されますので確認後、『手続き完了する』
※手続き完了の表示が出ますので、その画面を確認できたらSIMロック解除完了です。完了画面をスクリーンショット等で保存しておくと良いでしょう。
・新SIM挿入時の操作
7.スマートフォンの電源切り、新しいSIMを挿入する
8.起動後、電波が入っているかを確認し、問題なければ完了となります。
SoftBankのSIMロック解除方法
・SoftBankショップで解除依頼する場合
店頭にスマートフォンと身分証明証を持って、必ず利用者本人がSoftBankショップの窓口へ来店して下さい。
窓口で『SIMロックを解除をお願いします』と言ってもらえれば、すぐに対応してくれます。
ロック解除の操作は店員さんがやってくれます。
但し、窓口でSIMロックを解除する場合、手数料3000円が発生します。
・自分でWebから解除する場合
1.自分のSIMのIMEI番号を確認して下さい。
<iPhoneの場合>
〔設定〕→〔一般〕→〔情報〕→IMEI
<Androidの場合>
〔設定〕→〔端末情報〕→〔機器の状態〕→〔IMEI情報〕
2.My SoftBankにログインして下さい。→https://goo.gl/vwWBDg
3.SIMロック解除する機種のIMEI番号を入力して『次へ』を押して下さい。
4.解除内容を確認し、『解除キーを発行する』を押して下さい。
5.SIMロック解除キー発行完了画面が出ますので、発行キー番号を必ずスクリーンショットやメモ等で控えておいて下さい。
※iPhone/iPadは解除キー番号は発行されません。
※SIMロック解除キー発行だけでは、SIMロック解除は完了していません。
・新SIM挿入時の操作
6.スマートフォンの電源を切り、新しいSIMを入れて下さい。
7.電源を入れて下さい
8.起動後、SIMロック解除キーを入力し『ロック解除』を押して下さい。
9.起動が確認できましたら、交換完了です。
以上の手順で、各キャリア毎にSIMロックの解除を行って下さい。
また、一度SIMロックを解除した端末を再びSIMロック状態にすることは出来ませんので注意して下さい。
格安SIMとは
さて、SIMについて解説してきましたが、そろそろ格安SIMについて解説しましょう。
キャリアのSIMを格安SIMに変えることで、本体はそのままで月々の利用料金を大幅に抑える事が出来るメリットが魅力なサービスです。
先程説明した、SIMロック解除の主な目的は、SIMを格安SIMに変えて、料金を抑える事です。
では、なぜ格安SIMは料金を下げる事が出来るのでしょうか。
格安SIMの安さの秘訣
格安SIMの安さの秘訣は端的に言うと、自社で通信回線設備を持たず、通信回線等を大手から借りて通信行っているからです。
電話やインターネットを使用するためには、データを送受信する回線と基地局などの設備が必要です。
ここで紹介する大手とは、KDDI(au)、NTT(docomo)、SoftBank(SoftBank)を示します。
この三社をMNO(Mobile Network Operator)と呼びます。
今後、楽天が自前の通信設備を設ける可能性があり、3大通信大手に加わる可能性があります。
しかし、2018年5月段階では、まだ準備段階で使用回線はNTTから借りていますので、今回は大手の定義からは除外します。
大手は、日本各地に基地局や回線網を持ち、設備投資や維持にコストがかかります。
さらに、より高速なデータ通信を実現させるために数百億円単位の開発投資も行っています。
格安SIM会社は、SIM以外の通信設備を全て大手から借りる事により、巨額なコストを抑える事ができ、結果として利用料金を低くする事が可能となります。
この様に、自社で通信設備を持たずにSIMのみを提供している業者をMVNO(Mobile Vrtual Network Operator)と呼ぶので覚えておきましょう。
また、大手キャリアは実店舗を日本全国に配置し、スマートフォンの契約や修理受付等をこなす窓口が多くありますが、格安SIM会社は実店舗を持たず、全てインターネット上の手続きのみで対応する会社もあり、そういったコストを削減する事で使用料を大幅に抑える事ができます。
上記の様な理由が安さの秘訣となります。
使用料の安さが魅力な一方で、通信速度やプラン設定、修理対応など格安SIMには、まだまだ伝えるべき項目が多いですが、詳しくは『格安SIMについて(仮)(まだ書いてません。今後、記事を書いてリンクさせる予定)』をご覧ください。
まとめ
契約更新時に一瞬しか見た事ない方も多いかと思いますが、近年はSIMの重要さが日に日に増してきております。
格安SIMについても触れましたが、このSIMを理解することによって使用料金を安く抑えることも可能です。
この記事で、SIM本体の理解を深め、『格安SIMについて』を併せて読んで頂ければ、今のスマフォ利用プランを見直す時に役に立つかと思います。
小さなカードですが、非常に重要な役割を持っていますので賢く活用することで様々な穏健がある事が分かって頂けたのではないでしょうか。
ぜひ、本記事を参考にプランニングしてみてください。