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暗号化とデータ復旧

このページでは近年ではパソコン、スマートフォン、NASなどほとんどのメディアで初期設定で搭載されるようになった暗号化機能について、暗号化されたデータの復旧の際に注意すべきポイントをまとめて解説します。

暗号化されたデータは復旧可能か?

暗号化されたデータであっても復旧は可能です。しかし、暗号化によってセキュリティが強化される一方、復旧の難易度が上がることもあります。たとえば、データの一部が破損していると、完全な復号化(暗号化の解除)ができない場合があり、復旧過程で復号化が必要になるケースも存在します。

暗号化されたデータの復旧には、暗号化ソフトやID・パスワード、起動ディスクなどが必要です。どのような情報が必要かは暗号化の方式やソフトに依存するため、専門のデータ復旧サービスに相談することが推奨されます。

データの暗号化とは?

「データの暗号化」とは、特定の法則に従ってデータを変換することで、セキュリティを強化する技術です。暗号化されたデータは通常の状態では読み取れず、復号化する必要があります。このため、万が一不正アクセスされても、情報が守られる可能性が高まります。

暗号化には「ソフトウェア暗号化」と「ハードウェア暗号化」の2種類があります。ソフトウェア暗号化はファイルやフォルダ単位で行い、ハードウェア暗号化はハードディスクやUSBメモリなどのデバイス全体に適用される方法です。中には自動で暗号化されるデバイスもあり、セキュリティを一層強化できます。

ランサムウェアによる暗号化の脅威

ランサムウェアは、感染した端末のデータを暗号化して利用不能にするマルウェアで、金銭の要求を目的としています。近年、ランサムウェア被害は増加傾向にあり、病院や政府機関なども狙われています。攻撃者は効率的に暗号化を進める手口を用い、短時間で多くのデータをロックするよう設計されています。

2022年には「Conti」や「LockBit」といった高度なランサムウェアが世界中で甚大な被害を引き起こしました。これらのランサムウェアは、ファイルのサイズや種類に応じて部分的に暗号化を行うといった工夫が施されており、攻撃時間を短縮しながら大規模なデータを素早くロックする仕組みが特徴です。

また、近年では「二重脅迫型」と呼ばれる手口も増えています。この手口では、データを暗号化するだけでなく、情報を盗み出して公開するとの脅迫も行い、被害者にさらなる圧力をかける仕組みです。対策としては、バックアップの分離や多層的なセキュリティシステムの導入が有効とされています。

暗号化データ復旧時の注意点

暗号化されたデータの復旧には、通常のデータ復旧と異なる注意が必要です。

  • データ復旧ソフトを使用しない:通常のデータ復旧にはソフトを用いる場合もありますが、暗号化データには適用しない方が安全です。暗号化されたデータの構造が異なるため、ソフトを使用することでデータが損なわれるリスクが高まります。
  • 復号化を試みない:不安定な状態で復号化を試みると、データがさらに複雑な状態になることがあります。信頼できる環境での対応が望ましいため、専門業者に依頼するのが安全です。
  • 破損した暗号化ディスクの取り扱い:暗号化されたハードディスクが破損した場合は、ディスクチェックや別のパソコンでの操作は行わないでください。暗号化ソフトを介さない操作は、復旧の成功率を下げる原因になります。また、自動暗号化が設定されているケースもあるため、事前に仕様を確認することが重要です。
  • 最新のランサムウェア対策:ランサムウェアは進化し続けているため、データ復旧サービスによる最新の対策が求められます。バックアップの強化や二段階認証などのセキュリティ対策も欠かすことができません。

暗号化データの復旧は専門的な技術を要するため、信頼できるデータ復旧サービスに相談し、安全かつ効率的な対応を目指しましょう。

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