削除したファイルは復元できるの？
誤って重要なファイルを削除してしまった場合、復元できる可能性があります。ただし、復元の可否はOSや削除の方法、ストレージの状態によって異なります。本記事では、WindowsとMacの主要なOSにおいて、削除したファイルの復元可否と復元方法について詳しく解説します。
1. Windowsの場合
1-1. ゴミ箱からの復元
Windowsでは、削除したファイルはまず「ゴミ箱」に移動します。ゴミ箱を空にしていなければ、以下の手順で復元が可能です。
- デスクトップ上の「ゴミ箱」を開く
- 復元したいファイルを選択
- 右クリックして「元に戻す」を選択
これにより、ファイルは元の場所に戻ります。
1-2. 「Shift + Delete」で削除した場合
「Shift + Delete」キーを使用してファイルを削除した場合、ゴミ箱を経由せずに完全に削除されます。この場合でも、専用の復元ソフトを使うことで復元できる可能性があります。
【復元ソフトの利用】
Windowsでは、以下のようなデータ復元ソフトを使うことで削除したファイルを復元できることがあります。
- Recuva（無料版あり）
- EaseUS Data Recovery Wizard
- Wondershare Recoverit
これらのソフトを使用すると、削除されたファイルをスキャンし、復元可能なデータを一覧表示することができます。ただし、新しいデータが上書きされると復元は難しくなります。どうしても低価格で復旧したい方はおすすめできるデータ復元ソフトを比較してまとめたページがありますので、そちらをご覧ください。
1-3. Windowsの「以前のバージョン」機能を使う
Windowsには、過去の状態にファイルを戻す「以前のバージョン」機能があります。
- 復元したいフォルダを右クリック
- 「以前のバージョンの復元」を選択
- 利用可能なバージョンを選んで「復元」をクリック
ただし、この機能を利用するには、事前に「ファイル履歴」や「システムの保護」が有効になっている必要があります。
1-4. バックアップがある場合の復元
Windowsでは、定期的なバックアップを設定している場合、バックアップから削除したファイルを復元できます。
- 「コントロールパネル」 → 「バックアップと復元」
- 「ファイルを復元」を選択し、対象のファイルを探して復元
これにより、過去のバックアップデータからファイルを取り戻すことが可能です。
2. Macの場合
2-1. ゴミ箱からの復元
Macでも、削除したファイルはまず「ゴミ箱」に移動します。ゴミ箱を空にしていなければ、以下の手順で復元可能です。
- Dockの「ゴミ箱」アイコンを開く
- 削除したファイルを探す
- 右クリックして「元に戻す」を選択
2-2. ゴミ箱を空にした後の復元
ゴミ箱を空にした場合、通常の方法では復元できませんが、データ復元ソフトを使用すると復旧できる可能性があります。
【復元ソフトの利用】
Macで利用できる復元ソフトの例:
- EaseUS Data Recovery Wizard for Mac
- Wondershare Recoverit for Mac
- Disk Drill
これらのツールを使うと、削除されたファイルをスキャンし、復元可能なデータをリスト表示することができます。
2-3. Time Machineでの復元
Macには「Time Machine」という標準のバックアップ機能があります。Time Machineを有効にしていた場合、削除したファイルをバックアップから復元可能です。
- Time Machineを開く（「システム設定」→「Time Machine」）
- 目的のファイルが保存されていたフォルダを開く
- バックアップ履歴を遡り、復元したいファイルを選択
- 「復元」ボタンをクリック
Time Machineを使用すると、過去のバージョンのファイルも含めて復元できるため、定期的なバックアップが重要です。
2-4. Macの「ターミナル」コマンドで復元できる場合
Macでは、削除したファイルがゴミ箱内にある場合、「ターミナル」から復元できることがあります。
- 「ターミナル」を開く
- 以下のコマンドを入力し、ゴミ箱の内容を確認
ls ~/.Trash/ - 復元したいファイルを指定してデスクトップへ移動
mv ~/.Trash/ファイル名 ~/Desktop/
これにより、ゴミ箱から直接復元できます。ただし、ゴミ箱を空にした場合は利用できません。
3. OS共通の注意点
3-1. 削除直後にすぐに復元作業を開始する
削除したファイルの上に新しいデータが書き込まれると、復元が困難になります。できるだけ早く復元ソフトを実行することが重要です。
3-2. SSDでは復元が難しい場合がある
SSD（Solid State Drive）を使用している場合、TRIM機能により削除後すぐにデータが完全消去されることがあります。そのため、HDDに比べて復元の成功率が低くなります。
3-3. バックアップの重要性
どのOSでも、定期的なバックアップを取っておくことが最も確実な対策です。Windowsでは「ファイル履歴」、Macでは「Time Machine」を活用し、重要なデータを保護しましょう。
まとめ
削除したファイルの復元は、OSの仕様やストレージの状態によって可否が変わります。
- Windowsでは「ゴミ箱」「復元ソフト」「バックアップ」などを活用可能
- Macでは「ゴミ箱」「Time Machine」「復元ソフト」が有効
削除直後に適切な対応をすることで、復元の可能性が高まります。大切なデータを守るためにも、定期的なバックアップを心がけましょう。バックアップがない状態で、復元ソフトを使うのが怖い、という方は専門家が在籍するデータ復旧会社に依頼なさることをおすすめいたします。「データ復旧」でGoogle検索をし、上位100社を調査した結果をもとに、ソフトでもダメだったが、復旧業者では復旧できた！という評判の良いデータ復旧業者をまとめてご紹介しておりますので、こちらもご覧ください。