スマートフォンを傷や汚れから保護する意味合いでフィルムをディスプレイに貼っている方も多いのでは無いのでしょうか?今は話題のブルーライト対策のフィルムまで登場していて、その種類は豊富にあります。
今回は、そんなフィルムについての特集します。ひとえにフィルムと言っても様々な素材や特徴があります。フィルムを貼ってスマホの保護を検討している方の参考になれば幸いです。
フィルムの素材
・PET素材フィルム
ペットボトル等に用いられている樹脂素材です。
非常に薄い為、ケース等の干渉や貼っている感じを受け難く、使用するにあたり違和感なく使用できます。価格は安いが、貼るのが少々難しく、硬い素材では無いので衝撃には弱いです。
埃と傷等から守る意味合いが強い素材です。
・ガラス素材フィルム
ガラス素材によって作られているフィルムです。
モノによっては硬度が高く、傷や衝撃に強い特徴もあります。
PET素材に比べるとやや高いですが、ガラス繊維に特殊な加工を行う事によってブルーライトカット等の特殊作用を持たせる事が出来ます。
PETフィルムよりは厚みが出ますが、硬度が9H程度ある場合、ある程度の衝撃から守ってくれる可能性があります。
特殊なフィルム
・アンチグレア(非光沢)
フィルム表面を敢えて曇らせる事によって、屋外で使用時に写り込みが少なく可視性が上がります。
光沢(透明)フィルムより、指紋や傷等も目立ち難くい特徴があります。
・ブルーライト削減
青や紫と言った色光は波長が短く空気中の埃や水分にぶつかり様々な方向に発散しやすい光です。
その為、物体がチラついたり、ボヤけたりする原因となり目に悪いとされています。
光の屈折率を変えるコーティングを行う事によって波長の短い青色の光を軽減する事が出来ます。
・自己修復フィルム
少し厚みがあり弾力性を持たせる事によって、小さな傷であれば凹み部分が元に戻り自然に修復される特性があります。
素材としてはガラスフィルム程度の厚みがあり、柔軟な素材なので経年劣化により修復機能は衰えてきます。
・覗き見防止フィルター
正面以外から覗くとフィルム内に入った繊維等が透過性を奪い覗き見を防止できるフィルムです。
角度を付けると見えずらくなり、慣れるまで少々違和感を感じますが、満員電車等で画面を覗き見対策効果が期待でき、プライバシーフィルムとも呼ばれています。
・抗菌フィルム
防水性能が常識されている今のスマートフォンと言えども、水洗いすることはなかなか無いと思います。
操作時に最も触れるディスプレイに貼ることで、抗菌作用を持たせて清潔に保つ事が出来おます。
光触媒などの様な持続性の高い特殊なフィルムは価格が高価な傾向があります。
・気泡レスフィルム
フィルムに目に見えない微小な穴が空いており、貼った時に気泡が入ってしまっても上から押すと空気が穴から抜けて綺麗に貼れます。
ガラス系素材フィルムの硬度
スマートフォンに貼るフィルムの種類の中でも、ガラス系素材のフィルムはガラス自体の硬さにより、正面からの衝撃から守ってくれたり、替わりに割れてくれる事により、衝撃のエネルギーを破損させ本体のディスプレイを守る事も出来ます。
さて、ガラス素材フィルムにも硬さは様々です。
皆さんがガラスフィルムを購入される際にパッケージに高度表示として「8H」や「9H」と書かれている事に気づくと思います。
8Hや9Hとは、実はJIS規格が定める鉛筆の芯の硬さを示しています。
例えば、高度表示に9Hと書かれている場合、鉛筆の9Hで引っ掻いても傷が付かない事を表示しています。
一般的に鉛筆として人気が高い芯はHBですが、その芯より遥かに硬い硬度になります。
現在JIS規格では、鉛筆の硬度の最硬表示は9Hとなり、現状では一番硬い表示はこの表示になります。
また、鉛筆以外にも硬さを測る尺度は存在します。
それが「モース硬度」です。
モース硬度は、硬さを1から10までの基準で示しており、数字が小さくなる程、硬い事を示しております。
では、9Hはモース硬度で、どの硬さに相当するのでしょか。
下の図をご覧下さい。
図を見比べていただければ、9Hはトルコ石に匹敵する硬度だと分かります。
トルコ石の硬度は、ナイフでようやく傷を付けられる程度とされていますので、スマートフォンを保護するには十分な硬さと言えるでしょう。
ガラスフィルムでも防げない衝撃
ガラスフィルムの硬さと正面からの衝撃に強いと紹介しましたが、防げない衝撃もあります。
まず、あくまでスマートフォンの保護フィルムとしての用途なのでガラス素材に限らずに、どのフィルムも基本的に対象としているのは、埃や擦れる事によって付く細かな傷です。
ガラス素材もフィルムにする為に薄く作られており、余りに強い衝撃には耐えられません。
ガラス素材フィルムとディスプレイの間には僅かに空洞が空いています。
その空間がある事によって、正面から衝撃を受けた際にエネルギーが伝わりづらくなり、仮にガラス素材フィルムが割れてしまっても、ディスプレイまで達する事を防いできれます。
但し、ガラス素材フィルムが割れる事によってエネルギーが発散出来る場合に限ります。
非常に強い衝撃の場合、ガラス素材フィルムを破壊し、そのままディスプレイに衝撃が伝わり一緒に破れてしまいます。
擦っても傷が付かない位に硬いといっても過信は禁物です。
また、もう一点最大の弱点があります。
スマートフォンの角谷側面から落下した衝撃には、ガラス素材フィルムでも緩衝材になる事すら不可能です。
基本的にフィルム全般はディスプレイを覆う様にピッタリに作ってあります。
その為、側面まで覆う形状はしていない為、衝撃がダイレクトに伝わってしまいます。
この様に、フィルムを貼っても防げない衝撃もありますので、落とさない様に注意が必要です。
但し、その点を除けば基本的にディスプレイを綺麗に保つ点において非常に有効と言えます。
フィルムを綺麗に貼る方法
お気に入りのフィルムを購入して、ご自身でフィルムを貼られた経験がある方も多いのではないでしょうか。
実際に貼ってみると結構難しいと感じられたかと思います。
フィルム購入時に貼り付けも頼むとプラス500円程度取られます。
それだけ、フィルムを綺麗に貼るのは難しい作業なのです。
それでも自分で貼りたいと言う方に、フィルムを綺麗に貼る方法をご紹介致します。
フィルム貼りの天敵は「気泡」と「埃」です。
気泡や埃は、一度入ってしまうと結構気になりますよね。
フィルム貼りは時間を掛けてしまうと、ドンドン埃が入ってしまい見栄えが悪くなってしまいます。
手際よく貼る時は一気に貼ったほうが良いでしょう。
下記の手順を確認して、何度かイメージトレーニングを行ってから貼って下さい。
1、出来るだけ明るい部屋でスマートフォンを正面に起き、動かない様に下に滑り止めを敷く
両手でフィルムを貼る事に集中出来るので便利です。
明るくする事で埃等が良く見えるので取りやすくなります。
また、ディスプレイは切るなどして暗くして行った方が良いでしょう。
2、アルコールクリーナー等でディスプレイ上の指紋や埃、油分を丁寧に拭き取る
油分や汚れが残っていると消えない気泡となり、見栄えに影響が出ます。
一定方向にしっかり拭くと綺麗に拭けます。
隅っこに埃や汚れが溜まりやすいので意識して拭いて下さい。
また、アルコール度数が低かったり、水で拭くと乾くまでに時間がかかりすぎたり、跡が残ったりしますのでスマートフォン用のアルコールクリーナーで行って下さい。
3、フィルムの貼る面の保護シートを少しだけ捲り位置を合わせる。
保護フィルムを少し捲り、スマートフォンの角を合わせる。
この時、ボタンやカメラにフィルムが被らないように位置を合わせて下さい。
手順3以降は出来るだけ素早く行って下さい。
4、位置が確定したら一気に保護フィルムを捲り、貼り付けて下さい。
貼り付け位置が決まったらためらっては行けません。
埃が入る前に直ぐに貼ってしまいましょう。
この手順で行えば、綺麗に貼れると思います。
掃除機を掛けた後や洗濯物を取り込んだ後など、部屋に埃が舞っている時は避けた方がいいでしょう。
また、ガラス素材のフィルムは気泡が出来ると中々外へ出ない場合があります。
ガラスとディスプレイは互いに引き寄せる力が強く、気泡を押し潰すようにして真空状態になります。
そうなってしまうと上から押し出そうとしても全く動きません。
そんな時は、端っこをゆっくり持ち上げて空気を入れて気泡の位置まで持ち上げましょう。
注意点としては、ガラスは柔軟性が低く、負荷を掛けると割れますのでゆっくり行いましょう。
この時、入ってしまった埃はセロテープ等を少し入れて粘着を利用して取るといいでしょう。
少しコツのいる作業となりますが、丁寧に確実に行う事によって自身でも貼る事は十分に可能です。
まとめ
この様に市場には様々な種類のフィルムがあり、付加効果も多種多彩です。
ご自身のお気に入りのフィルムを選ぶ役に立てれば幸いに思います。
傷や汚れから貼るだけでディスプレイを守る事が出来ますので、積極的に装着する事をお勧め致します。
厚みが気になる方は「PET素材フィルム」。
衝撃保護を考えるのであれば「ガラス素材フィルム」。
を基準に選んでいただければ間違いは無いかと思います。