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家電量販店の歴史(統合・再編)をまとめてみた

家電量販店の提供している修理サービスについて調べていたところ、家電量販店が多数あることを改めて感じたので、どのように始まって、連携や統廃合など面白い動きがあったことについてまとめてみました。

ヤマダ電機、ビックカメラ、エディオン、ヨドバシカメラ、ケーズデンキ、ノジマ、上新電機など、売上規模で並べると現在は大手6社が業界を握っています。それぞれの企業の歴史や何を行って来たか、それによっては現在の店舗の強みや考え方が違うのかもしれません。いろんな角度から企業を見てみると面白いのではないでしょうか。



家電量販店を創業年度順でまとめてみた

それぞれの企業を創業年度順で並べてみました。Wikipediaでは売上順で並べられていますが、時系列で並べてみてみたいと思ったので整理してみます。ヨドバシカメラが一番古いのかと思っていましたが、ケーズデンキがもっとも創業としては古いようです。家電量販店というスタイルを提供しはじめたタイミングなどについてもまとめてみますが、どこかが始めたらすぐに他社も同じように真似して展開してきたのだと思います。

1947年(昭和22年):ケーズデンキの前身である加藤電気商会を茨城県水戸市で創業。ラジオ販売、修理業から事業をスタート。1971年に小売部門を設立し、1974年にヨドバシカメラに商号を変更。
1960年(昭和35年):ヨドバシカメラの前身である藤沢写真商会を東京渋谷区本町で創業。カメラや写真用品がメインの商品としてスタート。
1968年(昭和43年):ビックカメラの前身である株式会社高崎DPセンターを群馬県高崎市で創業。1978年に株式会社ビックカメラ(高崎)を設立。
1973年(昭和48年):ヤマダ電機の前身であるヤマダ電化センターを群馬県前橋市で創業。1983年に株式会社ヤマダ電機を設立。
2001年(平成13年):株式会社エイデンと株式会社デオデオが事業統合。1947年(昭和22年)にデオデオの前身「久保兄弟電機商会」を設立。

家電量販店としてのスタート時期は?

1971年2月(昭和46年):ヨドバシカメラが小売部門を設立し、本格的に家電を含めた販売を開始しました。
1971年5月(昭和46年):ケーズデンキの前身である加藤電気商会は有限会社カトーデンキに商号変更をしています。
1972年5月(昭和47年):ビックカメラは株式会社ビックカラーを株式会社高崎DPセンターのカメラ販売部門を切り出して設立。
1978年(昭和53年):ビックカラーからビックカメラに、同5月から池袋北口店を開始。
1983年9月:ヤマダ電機を設立しました。日本電線工業株式会社からの商号変更です。

当時の新聞でもあれば細かいところまでわかると思いますが、家電量販店という業態ができたのは1970年前半だと考えられます。ヨドバシカメラがいち早く事業転換したことを皮切りにケーズデンキも家電量販店へ移行、ビックカメラも同様に家電量販店へと舵を切って行ったのではないでしょうか。

エディオンは統合・M&Aで成長

エディオンに関してはエイデンとデオデオが合併したということで、エイデンは地元にたしかあったなあという薄い記憶がありますが、比較的新しい屋号です。しかしながら、エディオンの統合前の屋号の1つデオデオに関しては1947年に「久保兄弟電機商会」を開始しているので、ケーズデンキと時同じくして、創業していることがわかります。バブル崩壊後、競争が激化したことからもエディオンとして2001年に再編されたわけです。



ビックカメラと他の家電量販店の関係性

調べていたらビックカメラの色々な企業との連携が目にとまりました。ビックカメラは大きな企業との提携(アライアンス)で事業を拡大してゆくという方向で考えているのかもしれません。パソコンの販売に関しても別会社として切り出して1994年に株式会社ビックパソコン館として強化をしていました。そこでビックカメラの創業から様々な同業界だけでなく異業種との連携などの歴史を振り返ってみたいと思います。

群馬県高崎市で創業、50年の老舗

1968年に群馬県の高崎市で創業し、カメラ専門のディスカウントストアから家電やパソコンの販売などの業態の展開を行ない時流に乗った企業の1つです。群馬県ではヤマダ電機があり、ビックカメラの創業はヤマダ電機の創業に何かしらの影響を与えたのかもしれません。

積極的な同業界のM&Aや業務提携

2006年にソフマップを連結子会社化。2007年エディオンとは資本・業務提携をおこなったものの、その年のうちに経営統合は白紙になりました。その代わりに、ベスト電器と業務資本提携を行うことに成功しました。

ヤマダ電機やヨドバシカメラとの対抗のために、他の企業との業務提携や資本提携などを行なったのかもしれません。

ベスト電気とは2013年に提携を解消することで別々の道を歩むことになったようです。

他業種ユニクロ、楽天との連携強化

2012年にはUNIQLOと連携を行う「ビックロ ビックカメラ新宿東口店」を開始。2017年にはビットコイン決済を試験導入するなど、新しいものをいち早く取り込む姿勢があるのがビックカメラです。

また、同年には「ビックカメラ楽天市場店」を開店していたのですが、2017年には楽天と新会社を設立し、「楽天ビック」として2012年からの取り組みを引き継ぎ、楽天経済圏の中に入ることになっています。



石丸電気はエディオンに吸収

1945年に創業、秋葉原電気街の勃興の立役者と言っても過言ではありません。石丸電気は白物家電〜オーディオ・ビジュアル、パソコンの販売など幅広く展開していました。その後、PC修理の受付や買取など幅広くサービスを提供しており、秋葉原に15店舗もの展開を展開していた老舗です。2000年代の新しい時代のうねりに乗ることができなかったと考えられます。
2005年にヨドバシAkibaが秋葉原エリアに開業し、それに対抗するかのごとくエディオンと2006年に業務提携、その後2009年にエイデン(現エディオン)に完全子会社化をされていました。石丸電気としての最後の店舗を2013年3月に閉店しました。開業から70年という長い歴史に幕を下ろした。




まとめ

家電量販店はなぜこれだけ増えたのか、どのような構図になっているのかをまとめてみました。ビックカメラやヨドバシカメラなど、「カメラ」が起点となっている企業があるのは時代背景として面白いなと思います。iPhoneやGoProなど、多くの人に愛されている製品も基本的にはカメラの性能が高かったり、独自性があったりするなど、カメラというのは人間が求めているツールとしてはかなり上位なのかもしれません。