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上手な人は工夫している!基本から応用まで知っておきたい構図法

同じカメラを使って同じ被写体を撮っても、人によって写真の出来映えが違うことがあります。
写真を上手に撮る人は、ただ何となく撮影しているのではなく、構図に工夫をしているからです。

そこで、この記事では、誰でも簡単にできる構図から、風景や人物などの被写体に応じて変えるべき構図まで、テクニックをわかりやすく解説します。

鮮やかに色を出したいときに有効な「順光」

写真は、被写体に当たる光の向きによって印象が大きく変わります。
ただし、よい写真を撮るのに適した方向が決まっているわけではありません。どのような写真を撮影したいかによって、光が当たる向きを変えることが大切です。

被写体の色を鮮やかに出したいときに有効な光の向きを「順光」といいます。被写体の正面に対して、光が真っすぐまんべんなく当たる状態です。
たとえば、空や海、山などの風景写真を撮るとき、青や緑の色を濃く出して映えさせたい場合に効果があります。

ただし、光が均一的に当たるため、影ができにくいのも特徴です。影ができないと、被写体に立体感が出にくく、フラットな光景に写ります。

コントラストや立体感を強めたいなら「逆光」が効果的

光が被写体の正面から当たる「順光」とは反対に、被写体の後ろから当たっている状態を「逆光」といいます。
逆光は正面側が影になってしまうため、順光と比べて被写体が暗く写りやすいのが特徴です。

被写体周辺は明るく写り、影との明暗が明確になるので、輪郭をはっきりと見せることができます。影ができることで奥行き感が生まれるため、立体的な被写体写真を撮りたいときに適した撮影手段です。たとえば、コントラストを強めたい料理や風景の写真に向いています。

一方、人の表情なども映したいスナップ写真などを撮るときにはあまり好まれない方法です。
ただし、順光で撮影したとしても、いい表情を撮影できないケースもあります。正面からの光がまぶしくて被写体の目の開きや視線が不安定になってしまうこともあるからです。

そのようなときには、影となる部分をレフ版やストロボなどで明るくするなどの工夫をして逆光の状態で撮影したほうが、かえって、いい表情をとらえられることもあります。

写真撮影の構図の基本!「三分割法」とは

写真の構成図を「構図」といい、被写体や周辺の景色をどの位置に設定するか構図を考えて撮影すると完成度が高まります。

構図の取り方にはいくつかのパターンがあり、最も基本的な方法が「三分割法」です。三分割法とは、撮影する画面の縦と横をそれぞれ3つに分割して構成図を作る方法をいいます。
画面を3つに分割した際に引いた線が交わるポイントに、撮影したい被写体の位置を合わせる手段です。
分割線の交点に被写体を合わせると、配置のバランスがうまく取れて、写真に写る光景が全体的に安定しやすくなります。

ただし、被写体を写真の中心から外すことでピントがずれてしまうこともあるので要注意です。シャッターを切る前に、ピントが合っているかを確認し、必要に応じて調整しましょう。

被写体の人物をかっこよく撮りたいなら「放射線構図」がおすすめ

「放射線構図」は、ある一点から放射状に線が伸び広がっているような光景を撮るときに便利な構図です。
遠近感を出すために使われる手法で、「消失点構図」と呼ばれることもあります。絵画などでも使われる手法である遠近法では、実際は平行となるところをあえて平行ではない状態で線を引くため、消失点と呼ばれる交点ができます。
逆にいえば、この交点が、構図のなかで伸びる複数の放射線に共通するスタートポイントです。

放射線構図は、距離や長さを強調することができ、奥行き感や広がりを表現したいときに有効となります。
遠方まで続く道路や線路、広がりを感じさせる街並みなどを撮影するときによく活用されますが、人物撮影でも活用度の高い手法です。

被写体人物の周辺に写る光景に奥行きや広がりができることで、写真全体に迫力や躍動感が生じ、被写体となる人物を生き生きとダイナミックに演出することができます。

奥行きや高さのある風景を撮りたいなら「縦構図」で!

被写体に対してカメラを縦に構えるか、横に構えるかについては、撮りたいものが画面に収まるかどうかで決めるのも一つの手段です。
ただし、できあがりのイメージに合わせて使い分けることも、上手に撮影するためには大切なポイントとなります。

「縦構図」は、カメラを横方向に90度傾けて、縦長の写真を撮影する方法です。縦の長さを生かして奥行き感や高さを強調した写真を撮ることができます。
たとえば、風景写真なら、高層ビルや高くそびえ立つ木々、長く伸びた道路や線路などの撮影時に有効です。

また、左右の幅を狭めることで、余計な光景をシャットアウトでき、被写体の高さや長さに人の視線を集められる点もメリットとして挙げられます。
肉眼で見たときの視野よりも写真に写る範囲を狭めることで、何を写したかったかを明確に表現することが可能です。

特に、初心者は余計な風景も含めて被写体を無駄に広く撮りがちであるため、写真の主役がぼやけやすい傾向にあります。
そのため、縦構図により周囲の光景を思い切って切り取った構図にすることは、初心者が上手な写真を撮るためには効果的な方法です。

「横構図」は壮大な景色を撮りたいときに便利な構図

本来のカメラの向きのままで撮影するのが「横構図」です。撮影した写真は、横長となります。写真の幅が縦の長さよりも長い分、左右の広がりを強調することができる構図です。

風景を被写体とする場合であれば、山々が連なる光景を撮影するときや、自然が広がる景色を写真に収めたいときなどに適しています。被写体を幅広く写すことで、壮大さを表現することも可能です。

また、撮影する写真に安定感を持たせたいときにも、横構図は活用できます。横長の景色は、人が普段、肉眼で見ている光景と近いため、写真を見たときに違和感を覚えにくいからです。

さらに、写真にストーリーを持たせやすいのも横構図の魅力となります。縦構図と比べて、写りこむものが増える分、写真に収まる情報量が多くなるからです。複数の被写体が写っていれば、その関係性から撮影時の状況をイメージしやすくなります。

また、雲などが移動しそうな方向の先に間を作ることで写真に自然なバランス感を作り、ストーリー性を含ませることもできるのです。

上手に撮影したいなら事前に構図を考えて計画的に!

撮影するときに構図をしっかりと意識するだけで、写真の出来上がりは想像以上によくなります。

写真の腕を上げたいなら、何を強調し、どのような雰囲気の出来上がりにしたいのか、事前に完成のイメージを描き、適した構図で撮るようにするとよいでしょう。”