災害被災時のデータの復旧
自然災害によるデータ損失のリスクと対策
自然災害によるデータ損失のリスクは常に存在します。過去の阪神淡路大震災、東日本大震災や直近では能登半島地震など日本は全国どこであっても被災する可能性があります。、多くの事業者や事業主がデータ損失に見舞われ、その復旧がニュースでも大きく取り上げられます。地震のみならず、知床遊覧船沈没事故、JR福知山線脱線事故や京都アニメーション放火殺人事件など人為的な事故もあります。
特に中小企業にとって、設計データやデザインデータ、顧客リストといった重要な情報の損失は、事業の継続に深刻な影響を与え、廃業に繋がることもあります。このページでは、データが失われる可能性がある自然災害の種類とその予防策、データを失ってしまった場合の復旧方法について解説します。
データ損失を引き起こす自然災害の種類
災害にはさまざまな種類があり、地震や洪水、火災などが挙げられます。これらの災害によるデータ損失は主に物理障害として分類され、メディアが破損する原因にもなります。災害ごとの一般的な被害について、以下に説明します。
- 地震
地震の揺れによってサーバーやストレージデバイスが物理的に破損するリスクがあります。特に、NASやサーバーラックが転倒すると重大な損傷が発生する可能性があります。また、地震に伴う津波や火災の発生にも注意が必要です。 - 火災
高温や煙によって、HDDやサーバーなどの電子機器が破壊される恐れがあります。さらに、消火時に使用される水によって、機器が水没する二次被害も考えられます。 - 落雷
雷そのものが機器に直撃することは稀ですが、落雷による電力サージがコンセントを通じて伝わり、サーバーやストレージデバイスが致命的な損傷を受けることがあります。 - 洪水・津波
水害によってデータセンターやオフィスが浸水し、電子機器が水没してデータが失われるケースがあります。特に洪水の流れが強い場合、建物が破壊されるほどの甚大な被害が発生することもあります。 - 台風
強風や大雨により停電が発生するほか、落雷による電子機器の損傷や、河川氾濫による浸水などで、機器の損壊リスクが高まります。
また、HDD、NASやサーバなどの記憶媒体も、これらの災害で高所からの落下や衝撃によって破損することが多いです。
自然災害からデータを守るための予防策
自然災害によるデータ損失を防ぐためには、事前の準備が重要です。
- バックアップの実施
定期的にデータをバックアップし、クラウドや異なる地理的拠点に保存することが推奨されます。クラウドストレージは、物理的な破損のリスクが低く、多くの災害からデータを守る手段として効果的です。 - 耐震・防水対策
データセンターの施設には耐震性や防水性を考慮した設計を施し、機器を地震や浸水から保護できるようにします。雷によるサージを防ぐためには、サージプロテクターを使用することも有効です。 - データ復旧の計画策定
災害発生時のデータ復旧の計画を事前に立てておくことで、迅速かつ効果的に対応できます。事前の対策によって、重要なデータを保護し、災害後の復旧プロセスを容易にします。
自然災害発生後の初動対応
自然災害が発生した場合、以下の初動対応が重要です。
- 安全確認
まずはスタッフや家族、施設の安全を確認しましょう。安全が確保された後に、損傷したデータストレージの状況を評価します。 - 設備の損傷確認
電源を切り、機器の周囲が安全であることを確認したうえで、水や火災による物理的な損傷がないかを確認します。 - データ復旧専門業者への連絡
データ復旧専門業者に連絡し、状況を説明して初期対応を依頼します。専門的な支援により、復旧の可能性が大きく左右されるため、迅速な対応が望まれます。 - バックアップの確認
クラウドやオフサイトに保存されたバックアップデータが利用可能かを確認し、データ損失があった場合に備えた復旧計画を立てます。
まとめ
自然災害に備えて、日頃からのバックアップと安全対策が重要です。また、法人であれば、BCP（事業継続計画）の策定なども必要不可欠です。USBメモリやSDカードなどのポータブルデバイスも、災害による水没や破損のリスクがあるため、これらのデータも適切に保護しておくことが大切です。災害時に備えたデータ保護策と復旧体制を整え、万が一の事態にも冷静に対処できるよう準備しておきましょう。
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