【iPhone水没対処ガイド】５つのNG行為と修理・データ復旧の比較
iPhoneを水回りで使用していると水がかかったり、水中に落としてしまったり、トラブルに見舞わられてお困りかと思います。このトラブル時にしなければならないこと、してはいけないことをまとめて解説いたします。特に電源を入れることはおすすめできませんので、まずそれだけは先にお伝えさせていただきます。
このページの要約
水没したiPhoneの対処方法として、即座に電源を切り、水や湿気を拭き取り、SIMカードや外部機器を取り外すことが重要です。データのバックアップがあれば復元できる可能性もありますが、修理やデータ復旧は専門家に相談しましょう。iPhoneは一部防水仕様ですが、完全な防水ではないため注意が必要です。修理時は自身での修理や高温、薬品の使用は避け、Appleサポートや公式サイトの情報をご覧ください。
水没したiPhoneへの5つのNG行為
水没したiPhoneの損傷を悪化させる可能性があるため、行わないで欲しいNG行為をまとめてご紹介いたします。水没したiPhoneの扱いには慎重さが求められます。修理であればアップルストアに、データの救出は専門技術者を抱える業者に依頼することが最善の対応です。５つのNG行為としましたが、基本的にご自身で何か処置をなさって、改善することは残念ながらありません。
電源を入れたり充電を試みる
水没後、iPhoneの電源を入れることや充電を試みることは避けてください。水が内部に侵入している可能性があり、これらの行動によってショートや内部の損傷が広がる可能性があります。ただし、ショートしているかどうか、iPhone内部で起きている現象は専門家であっても診断しなければわかり得ません。
振ったり、揺らしたりする
iPhoneを振ったり、揺らしたりすることで、水が本体内部に広がる恐れがあります。これによって内部の損傷が増す可能性があるため、慎重に扱ってください。
ドライヤーや熱源で乾燥させる
ドライヤーや熱源を使ってiPhoneを乾燥させることは避けてください。高温が内部のコンポーネントを損傷させるおそれがあります。これはアップル公式でも非推奨です。ドライヤーは家庭にある乾燥させるツールとしてもっともイメージしやすいですが、利用は推奨できません。iPhoneで使用しているリチウムイオンバッテリーは高温に弱いため、バッテリー膨張やバッテリーの発火や爆発の原因になります。
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薬品や溶剤で洗浄する
水没したiPhoneを薬品や溶剤で洗浄しようとすることは避けてください。これらの物質が内部の回路やコンポーネントに悪影響を及ぼす可能性があります。致命傷が加わっても本体交換だけする予定の方は行ってみてもよいかもしれませんが、保証から外れる可能性も０ではありませんので、十分にご注意ください。
DIY修理を試みる
ご自身で修理を試みることはお勧めしません。iPhoneの内部は複雑で、特殊な工具や知識が必要です。修理を専門の技術者に依頼することが重要です。これらのNG行為をしない状況で正しい対処を行ってください。
正しい対処方法
電源を切る
水没した直後にできるだけ早く、iPhoneの電源を切りましょう。画面が表示されている場合は、パワーボタンを押してスリープ状態にします。
水を拭く
乾いた布やタオルなどで、iPhoneの表面の水分をできるだけ拭き取ります。注意点として、iPhoneを振ったり揺らしたりしないようにしてください。これによって水が内部に広がる可能性があります。
SIMカード、SIMトレイ、その他のアクセサリーを取り外す
iPhoneのSIMカードやSIMトレイ、その他の外部アクセサリーを取り外します。これによって水分がこれらの部品に侵入するのを防ぎます。
乾燥させる
iPhoneを乾燥させるために、湿気のない場所に置きます。例えば、吹きだし口のついた乾燥機器や乾燥剤（シリカゲルなど）を使うことができます。また、米や砂糖などの乾燥性のあるものに埋める方法もありますが、小さな粒子が内部に入り込む可能性があるため、注意が必要です。
充電しない
水没したiPhoneを充電しようとせず、起動させないでください。内部の損傷が広がる可能性があります。
Appleサポートに連絡
上記の手順を試しても問題が解決しない場合、Appleサポートに連絡して相談してください。公式の修理プロセスや適切なアドバイスを提供してくれるはずです。
バックアップの確認
水没する前に定期的にバックアップを作成していた場合、データの喪失を最小限に抑えることができます。バックアップがiCloudやiTunes（パソコン）に保存されている場合は、新しいiPhoneにデータを復元することができます。
アプリデータ
インストールされているアプリのデータがバックアップに含まれます。ただし、アプリ自体はバックアップされません。
コンテンツ
音楽、映画、テレビ番組、書籍、オーディオブックなどのiTunes Storeから購入したコンテンツがバックアップに含まれます。
フォトライブラリ
カメラロールや写真アプリに保存されている写真やビデオがバックアップに含まれます。
メッセージや通話履歴
iMessageやSMS、通話履歴がバックアップに含まれます。
アカウント情報
メール、連絡先、カレンダー、ノート、ブックマーク、およびその他のアカウント情報がバックアップに含まれます。
設定とプリファレンス: デバイスの設定、ホーム画面のレイアウト、ウィジェットの配置、壁紙、パスコードなどの情報がバックアップに含まれます。
ただし、バックアップには一部のデータが含まれない場合があります。例えば、Apple MusicやApp Storeから直接ダウンロードした音楽やアプリはバックアップには含まれません。また、Touch IDやFace IDの設定、Apple Payの情報、非公開のパスワードなどもバックアップに含まれません。そのため重要なデータがバックアップ対象外である場合には水没したiPhoneからのデータ復旧を試みる他の選択肢はありません。
水没したiPhoneは修理かデータ復旧か
水没したiPhoneは、一部の場合を除いて修理が可能です。修理の可否や方法は、水没の程度やiPhoneモデルによって異なります。まずは保証が使用できるかどうかも含めてアップルストアや公式修理サービスにご相談なさることをおすすめします。アップルケアプラスに加入していれば水没時の交換は比較的安価に済ませることができます。
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Appleサポートに連絡
水没したiPhoneの状態や問題を説明し、Appleサポートに連絡してみてください。彼らは適切なアドバイスを提供し、修理の可否やオプションについて案内してくれます。
修理プロセスの選択
Appleでは、公式修理プロセスを提供しています。Apple StoreやApple認定修理プロバイダを訪れるか、郵送修理のオプションもあります。修理の可否や費用については、Appleサポートに問い合わせることが必要です。
データ復旧
水没によってデータが損傷した場合、データのバックアップがなく、復旧が必要な場合にはデータ復旧業者への相談をおすすめします。アップルストアでは対応していないデータ復旧ですが、水没して故障したiPhoneからデータを回復する場合に有効な手立てはデータ復旧業者しか持ちえません。
修理の費用
水没による損傷は通常、保証の対象外です。修理には費用がかかる場合があります。修理費用や保証の適用については、Appleサポートに問い合わせることで詳細を確認できます。
原因はわからなくても大丈夫！
水没によってiPhoneに変化が起きる可能性がありますが、すべてのケースで同じ結果が生じるわけではありません。日々の使用方法や環境、また、水の浸入量や時間、水の種類、および個々のiPhoneモデルによっても影響が異なります。また、原因はわからなくてもデータ復旧業者はこれまでの復旧事例から復旧率を高めるために高度な技術を用いて対処します。以下には起こりうる障害の事例をご紹介します。
電源の問題
水が内部に入ることで電源の問題が発生することがあります。iPhoneが起動しない、電源が入らない、あるいは突然シャットダウンするなどの現象が現れることがあります。
画面の異常
水が液晶画面に浸透することで、画面に異常が現れる可能性があります。例えば、画面が点滅したり、表示が乱れたり、タッチスクリーンが正常に機能しなくなることがあります。
カメラの問題
水がカメラレンズに入り込むことで、カメラの性能に問題が生じることがあります。写真やビデオの品質が低下したり、カメラが動作しなくなる可能性があります。
バッテリーの劣化
水没によってバッテリーの劣化が加速することがあります。バッテリーの持ちが悪くなったり、急速に放電されたりする可能性があります。これは電池パックが劣化したのか、基板や他の箇所が損傷したためか何が原因かはわかりません。
内部コンポーネントの損傷
水が基板や回路に浸入することで、内部のコンポーネントが損傷する可能性があります。これによってiPhoneの機能が正常に動作しなくなることがあります。
完全防水ではないiPhone
iPhoneの最新モデルでは、一部のモデルがIP67またはIP68の防水・防塵性能を持っています。IP67の場合、水深最大1メートルで最大30分間の耐水性があります。IP68の場合、より深い水深での耐水性がありますが、具体的な詳細は各モデルによって異なります。ただし、防水性能は時間と使用状況によって減衰する可能性があります。モデル別の防水性能を一覧にしましたので、ご覧ください。
| iPhoneモデル | 防水性能 |
|---|---|
| iPhone 13 Pro Max | IP68等級：最大水深6メートルで最大30分間 |
| iPhone 13 Pro | IP68等級：最大水深6メートルで最大30分間 |
| iPhone 13 | IP68等級：最大水深6メートルで最大30分間 |
| iPhone 13 mini | IP68等級：最大水深6メートルで最大30分間 |
| iPhone 12 Pro Max | IP68等級：最大水深6メートルで最大30分間 |
| iPhone 12 Pro | IP68等級：最大水深6メートルで最大30分間 |
| iPhone 12 | IP68等級：最大水深6メートルで最大30分間 |
| iPhone 12 mini | IP68等級：最大水深6メートルで最大30分間 |
| iPhone SE (第2世代) | IP67等級：最大水深1メートルで最大30分間 |
| iPhone 11 Pro Max | IP68等級：最大水深4メートルで最大30分間 |
| iPhone 11 Pro | IP68等級：最大水深4メートルで最大30分間 |
| iPhone 11 | IP68等級：最大水深2メートルで最大30分間 |
| iPhone XS Max | IP68等級：最大水深2メートルで最大30分間 |
| iPhone XS | IP68等級：最大水深2メートルで最大30分間 |
| iPhone XR | IP67等級：最大水深1メートルで最大30分間 |
| iPhone X | IP67等級：最大水深1メートルで最大30分間 |
| iPhone 8 Plus | IP67等級：最大水深1メートルで最大30分間 |
| iPhone 8 | IP67等級：最大水深1メートルで最大30分間 |
防水性能は一時的な保護のため
防水性能があるからといって、完全に水没させることが推奨されるわけではありません。メーカーは通常、防水性能を水中での一時的な使用や事故に備えた保護として位置付けています。発売当時のiPhoneと比較すれば格段に防水性能は高まっていますが、完全防水ではありません。また、防水性能は製品の老朽化や物理的なダメージによっても変化することがあります。
したがって、iPhoneを水に浸すことは避けるべきです。もし水没してしまった場合は、すぐに上記の手順を実行して損害を最小限に抑えるようにしましょう。
まとめ
電源を切り、水を拭き、SIMカードを取り外し、乾燥させることを最優先で対処してください。電源入れず、振らず、熱源使わず、洗浄しない、DIY修理せず。バックアップを確認し、修理はメーカーであるアップルにご相談ください。また、データ復旧は専門家に無料相談することが可能です。